雑記 - 阿佐田哲也『麻雀放浪記 4 番外篇』
338、339ページから引用。
ここを読み、展開を予感し、その後の約20ページを読んで、小説から、フィクションから、その中の勝負事から離昇していった様を読んで、事の終わりを直視するのはこうも寂しさが胸に去来するものだと、改めて思った。どこかで線引を、引けない者が至る所は――著者の作品をもっと読んでいって、その場所を見ていく。
「今度は俺のことなんだけど――」と森サブはいった。「もうすこししゃべっていいかね」
「なんでもしゃべれよ。だが、俺がちゃんときいてるとは限らねえぜ」
「俺はどこで暮らそうとかまわない。この町が嫌なら又汽車に乗ってどこかへ行けばいいんだ。どうでなきゃいけねえって思いだしたらきりがねえや。――ただ、健さんみたいに、一人で博打を打って気ままに生きたいのさ。俺みてえな人間は、どこかのやくざの組織にでも入って辛抱すりゃ、その方が出世するかもしれねえが、合唱はしたくねえんだよ。健さんだってそうだろう。合唱しねえんだったら、意地は張り切れねえよ。世間から逃げ出すことだよ――」
