暗闇のほとりで

読んでいる本についてつらつら書いています

雑記-8月以降の読書

 前回の記事から1ヶ月程度間が空いた。

 読書はしていたけれど、仕事で考えることが多く、頭と体、全身がくたくたで書き留める気力と体力が湧かず、そのまま時間が流れていった。少しずつでも書き留めておきたい、という気持ちはあるので、またこうして書いてみる。

 

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 8月以降の読書を振り返ると、とにもかくにもあだち充の作品を読んでいたことに尽きる。

 夏、甲子園の季節、ということで「H2」文庫版 全20巻の幾度目かの読み返しを行った後、未読だった「クロスゲーム」に手を伸ばしてみようと思って電子書籍で読み始めた所、気づけば「KATSU!」「いつも美空」「QあんどA」も読み終えていた…。

 「クロスゲーム」の試し読みをサンデーうぇぶりにて行い、これは一気に読もうと電子書籍で購入して読み終え、他の未読作品に食指を当てていると、サンデーうぇぶりでのポイントが結構残っていることに気づき、消化も兼ねて「KATSU!」を読み、掲載誌を買っていた頃に冒頭の数話を読んだきりだった「いつも美空」「QあんどA」を読み、近作で未読は「アイドルA」「MIX」となった、ポイントは尽きかけ、「MIX」は電子書籍で購入して読んでいく予定、電子書籍で昔の作品に気軽にアクセスできる便利さに感謝する。

 「H2」「クロスゲーム」「KATSU!」「いつも美空」「QあんどA」を立て続けに読んで、内容や指向性がいずれも同じではないから比較するものではないけれど、「H2」の長さ、構成が抜きん出ていることを再確認。お色気の描き方は、ツッコミがあるにしても今この時に読むと流石にキツイものがあり、最新作「MIX」ではどうなっているか、そういった面も気になるようになった。「QあんどA」では回を追う毎にその方面のツッコミが強めになっていたかのように思う。

 

 個々の作品の感想は以下となる。

 

 ・「クロスゲーム」全17巻・・・そこへ辿り着くための締めくくりが良いと思いつつ、青葉がより表舞台で活躍する姿を見てみたかった気も大きくある、そこは別の作品に期待した方が良さそうだ。

 

 ・「KATSU!」全16巻・・・連載時に身の回りのことでいろんな事情があっての幕引きとなったらしく、その詳細は「漫画家本vol.6 あだち充本」に当たってより感じ入るしかなさそうだが、もっとつづきを読みたかった、ということに尽きる。香月の夢のバトンタッチは切なくもその表情を見るに吹っ切れている感じが伝って、そういう形がしっくり来た。この作品は何度も読み返すことになりそう。

 

 ・「いつも美空」全5巻・・・変わった道筋のままやや駆け足で結末へ、時々きらりと光る情景とそこにいた死者たちとのやり取りが頭に残る。

 

 ・「QあんどA」全6巻・・・マンガに於けるお約束、くすぐりネタを詰め込みまくってのメタで昇華しているのが一種のお手本のような、こう描いていく人が少なくなっているのを知るような、楽しくもうら寂しさを感じつつ、締めくくりへの加速そしてあのオチへ、サンデーうぇぶりでのコメント欄にあったように、独り立ちするためにそれまでを意識して前向きな言葉で歩いていったラストが、オチにちょっと呆気に取られるも、きっとあれで良い。あだち充作品では珍しい部類に入る、主人公への好意をストレートに熱く伝えてくる忍も印象的だった。

 

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 その他、読んだものを列挙する。

有吉弘行『お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則』

オジロマコト「君は放課後インソムニア」7 ~ 9巻

幾花にいろ「イマジナリー」1 ~ 2巻 / 「あんじゅう」1巻

雨隠ギド「おとなりに銀河」1 ~ 4巻

桜井のりお「僕の心のヤバいやつ」7巻

・帯屋ミドリ「今日から始める幼なじみ」4巻

・三簾真也「幼馴染とはラブコメにならない」1巻

小林信彦『コラムの逆襲 エンタテインメント時評1999~2002』

武田百合子富士日記』中巻

 

現在は武田百合子富士日記』下巻を読書中、残り200ページを切ったところ。

そろそろ小説を読むのに戻りたい、それが心身のバローメーターになっている感じはある。