暗闇のほとりで

読んでいる本についてつらつら書いています

読書雑記-橋本治『ああでもなくこうでもなく 「日本が変わってゆく」の論 』、乗代雄介『本物の読書家』、むんこ「ゆあまいん」等

 読書を再開した橋本治『ああでもなくこうでもなく 「日本が変わってゆく」の論 』を読み終えた。感想はほぼ前回書いた通りのまま、そこに鈴木宗男野村沙知代が入ってきて、その存在の仕方や成り立ちについての橋本治の見解に、そういう見方があるのだなと感じ入る。それらの回は繰り返し読んで、自分なりに人、事象の見方を鍛えていくことになるのだろう。

 続きの『戦争のある世界 ああでもなくこうでもなく 4』へすぐに行かず、同著者の『二十世紀』を読んで、一九世紀 - 二十世紀を振り返り、『ああでもなくこうでもなく』で書かれている「二十世紀に遺ったことをいかに対処していくか」ということをより明確に捉えたい。

 他に『男の編み物、橋本治の手トリ足トリ』をざっと読み通し、初心者へ教えるに当たっての目線や意識についての箇所を、今後の参考としよう。手取り足取り教える前に、どういうことを行いたいかが見えるようになっていないといけないな…。

 

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 乗代雄介『本物の読書家』や山本一生『書斎の競馬学』を読み始めるも、平日は仕事の疲れで読書はままならず、週末からようやくエンジンがかかる。本を読んでいると精神的に回復が進んでいることを実感する。

 『本物の読書家』の表題作に出てくる関西弁の男の会話文が、身の回りにいる人の像となって喋っているような感覚で読むことになって、目と耳とでその会話を体感してありがたいような、逃れ難いような、不思議な気持ちになりながら読み進めている。

 それにしても『十七八より』に続いて自意識の詰め込み方に見せ方がぎゅうぎゅうで段落を読み通すごとに息継ぎが必要な感じ、これも大変な代物だ…と思いながら、休み休み手に取る。

 

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 久しぶりにむんこ「ゆあまいん」を読み返して、時に激甘時にビターで夫婦のような初々しい幼馴染カップルの様に悶絶となる。「幸せな蛇足」とはよく言ったもので、「まい・ほーむ」は結末がずんと残るなかなか読み返しにくいものだけに、互いにこの相手だから幸せが続くことを確信するこのお話は、何度も読み返してしまう。適切に背中を押してくれる友達は超大事だよな…その友達の姿を見て、「まりあ17」全3巻を読み返したくなったので、読もう。

 

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 少年ジャンプ+より温井雄鶏「姫はアツく握る」の黒田硫黄ライク( 読み応えはそこからまた違う方向へしっかり飛んでいる )に驚きながら読み終えたり、マガジンポケットで今まで読んでいなかった連載のいくつかをお気に入りに追加したり、シャニマスの二次創作で「あさくら猫になる」のマンガがしみじみかつ笑えて良かったりと、コミックス以外でいろんなマンガを読めて満足できた一週間だった。世に出てきてくれてありがたいことだ。

 

 

 

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