暗闇のほとりで

読んでいる本や中央競馬のレースについてつらつら書いています

藤澤和雄『競走馬私論 プロの仕事とやる気について』を読み終えた。


めちゃくちゃ良い本だなこれ…。

 

競走馬 - 仕事の対象を第一に、最優先に考える、
そう進めていく中でいかにリスク( = 故障 )をゼロに近づけていくか、
考えられるあらゆることを丁寧にスピーディーに取り組み続けるか、
そうしていくことで「ハッピーピープル・メイク・ハッピーホース」となるように向かっていく、

という競走馬と取り巻く人、環境との向かい方についてを一貫して書かれている本で、
自分のこれからの仕事のやり方について、目を洗われる思いになった。

 

慣れると目の前のことを漫然とこなしがちになり、
小さなリスクを見過ごして大きなアクシデントを起こしかねない、
そのことに気づいた時、どう顧みて対策を打ち、次へ活かしていくか、
そういう状況にいつつある自分への良い張り手となった。

もっと考えられることはあるよな。

 


この本の白眉は、ラストを飾る「根性なしになっちゃう」かと思う。

 

タイキシャトルでフランスのG1 ジャック・ル・マロワ賞を制覇して帰国した後、
周囲からの祝福攻めの中で、嬉しいと思いつつ、
骨抜きにされて根性なしになるんじゃないか、

緊張感を維持できず、闘志が湧かない「いい人」になるんじゃないか、
と不安を感じている所に、
実家へ帰省した時の、身内からの尊敬の念を感じられない、

今までと変わらない扱いに嬉々としてやり合う締めくくりの12行の文章が、

とても心に残った。
そんな場所を持っているのは心強いだろうな。

そこに記された感慨は得も言われぬものがあった。

 

底本の刊行は1999年で20年以上前になるけれど、
ずっと先も通用する馬の見方、仕事の考え方が始めから最後まで書かれていて、

とても刺激を受けた。

改めて、自分がどういう風に仕事を行っていくか、と考えられる本で、

何度も読み返すと思う。

 

読むことができて良かった。