暗闇のほとりで

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読書・アニメ

 保坂和志『小説の誕生』小説の誕生を読みおえる。
 今ここで書き残した、広い世界の中の一人間として到達したい「言葉を尽くして言葉にしがたい」思考への軌跡に、親和性を持って読みつづけていた。
 現在から時空を越えて遠いところでも己の存在がありたい、世界を見ていたいという切実さに、佐藤友哉『1000年後に生き残るための青春小説講座』ととても良く似た感触を得た( 刊行は『小説の誕生』が先 )。作家が作家たらんとする熱情の迸った文章を読むことは、もっとちゃんと生きることへと触発される。もっと本を読もう、考えよう……おもしろいものをいっぱい摂りたいのだ!

 保坂和志『小説の誕生』を読んだ流れで、小島信夫『残光』残光 (新潮文庫)を読みはじめ、のっけからすごいめまぐるしさ、小説の位相をぶった切る文章がびしびしと来てすこぶるおもしろい。今までにない読書体験だ……。
 それにしても、アバウトというか大らかな記憶の述懐に笑いがばんばん起こる……!それとともに、この小説( あるいは全小説 )への頼もしさがぐんぐん増す、という不思議なおもしろさがここにある。目標は明記されているから分かるものの、話の流れや内容の行ったり来たり飛んだり潜んだりでの意味がほとんどつかめない軌跡を辿るのはえらく力が要るというのにやたら楽しく、これも小説なんだ!


 「監獄学園」第3話を観て、この観る者すべてを混沌に落とし込む凄まじい力に腹が揺さぶられる。ラストは一体何が起こっているんだよ……!

 金曜の夜から、【大森望のSF喫茶 #17】大森望×磯達雄×中村融×柳下毅一郎殊能将之ができるまで──『殊能将之 読書日記』刊行記念」をタイムシフトで何度も観ている。また著作を手に取り、時間を忘れさせてくれる鮮やかな技芸にふれていこう。


1000年後に生き残るための青春小説講座

1000年後に生き残るための青春小説講座

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