暗闇のほとりで

読んでいる本についてつらつら書いています

手に持つものを替えて


 いよいよ平日の夜は眠気にすぐやられてしまっていけない。押し入れから枕を出して頭をおいた途端、窓の外は朝の光に包まれているんだもんなあ……。



 今週は榎戸洋司フリクリ』3巻フリクリ〈3〉 (角川スニーカー文庫)を読みおえて、田中哲弥『ミッションスクール』ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)を「ステイショナリー・クエスト」まで読んだ。『ミッションスクール』は笑いとおどろきが止まらないなあ……。
 『フリクリ』はこれにて最終巻。いい青春もの(のハズ)を読ませてもらいました。終盤の、

 君はこれで良かったのか?
 その男性の声は初めて耳にするものだが、ナオ太は不思議になつかしく感じた。これまで何度もその声を聞いたことがあるような気がした。そしてナオ太はなぜかその赤い光源を怪しく思うことなく、素直に声の問いに答える。
 うん、これで良かった、と。
 僕の選んだ、これが現実だ。他の選択肢を選べば他の現実になったろうが、僕は結局これしか選びようがなかった。これを選んだから僕なんだ。

というナオ太の意思が読み取れる文章と、からりとした趣もある切ないラストシーン、そして大人と子供の差異や限定された存在について考えさせられるあとがきが、特に素晴らしかったです。
 ある物事に対して、そうでしかないであろう結論を予想し、やって来た結論をしっかりと受け止め、今までの自分から脱却しつつ、それまでにあったものを引き継いで前を行く、その歩み方が提示されているように思えて、子供の頃とはまた別に、見習うことってあるな、という気持ちになった。……またアニメを観たくなった。ブルーレイが観られる環境になったら、一番最初に映して、ここにある世界へ行こう。